エンジニアが仕事を辞めてフリーランスに転じることは珍しくない。ITスキルを身につけた技術者は不足しており、企業から引っ張りだこの状態が続いているのだ。IT企業では、ソフト開発やプログラム制作などにおいて、熟練したプロの独創的な発想が欠かせない。一方、社内システムの構築やヘルプデスクなど、エンジニアが必要な仕事を自社の社員でカバーしきれない企業も多いのが現状だ。そのようなときに、企業はIT系の仕事をフリーランスに発注することになるだろう。
また、フリーランスの多くは、次々とアップグレードされるシステムに生じるトラブルの解決法を、ネットを通じて全世界のエンジニアから得る独自のルートを持っている。さまざまな業務を担当し、余裕のない自社のエンジニアにこうした技術を検索させるより、最初からフリーランスに依頼した方が合理的といっても過言ではない。
確かに、社会保険や厚生年金などの保障がないフリーランスの立場は不安定だ。しかし、実力のあるエンジニアなら、無理なく複数の企業と案件の契約を結べるだろう。加えて、IT関係の仕事は基本的にPCとネット環境さえあれば可能であり、社員とのミーティングも電話会議で済ませることができるため、毎日現場に出向する必要はない。綿密な打ち合わせが必要な議題のときだけ出向すれば十分なのだ。出向する必要のない案件を中心に選ぶことで、複数の案件を同時に遂行しやすくなるだろう。